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09月16日-03号

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  1. 和歌山市議会 2020-09-16
    09月16日-03号


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    最終取得日: 2021-06-07
    令和 2年  9月 定例会                令和2年          和歌山市議会9月定例会会議録 第3号            令和2年9月16日(水曜日)     -----------------------------議事日程第3号令和2年9月16日(水)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問丹羽直子君、井本有一君、堀 良子君)     -----------------------------出席議員(37名)  1番  井本有一君  2番  中村朝人君  3番  赤松良寛君  4番  浜田真輔君  5番  堀 良子君  6番  西風章世君  7番  山中敏生君  8番  川端康史君  9番  永野裕久君 10番  中庄谷孝次郎君 11番  山野麻衣子君 12番  中村元彦君 13番  中谷謙二君 14番  丹羽直子君 15番  森下佐知子君 16番  坂口多美子君 17番  吉本昌純君 18番  園内浩樹君 19番  中塚 隆君 20番  薮 浩昭君 21番  山本忠相君 22番  芝本和己君 23番  戸田正人君 24番  松井紀博君 25番  井上直樹君 26番  古川祐典君 27番  姫田高宏君 28番  南畑幸代君 29番  尾崎方哉君 30番  奥山昭博君 31番  中尾友紀君 32番  松本哲郎君 33番  寒川 篤君 35番  佐伯誠章君 36番  山本宏一君 37番  宇治田清治君 38番  遠藤富士雄欠席議員(1名) 34番  北野 均君---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         尾花正啓君 副市長        森井 均君 副市長        信夫秀紀君 市長公室長      犬塚康司君 総務局長       尾崎拓司君 危機管理局長     川崎 勝君 財政局長       川嶋正起君 市民環境局長     和田年晃君 健康局長       佐伯正季君 福祉局長       宮崎 久君 産業交流局長     細井隆司君 都市建設局長     西本幸示君 会計管理者      田上隆造君 教育長        富松 淳君 教育局長       津守和宏君 消防局長       吉野楠哉君 公営企業管理者    瀬崎典男君 企業局長       上西人支君 選挙管理委員会委員長 大西勉己君 代表監査委員     森田昌伸君 人事委員会委員長   水野八朗君   ---------------出席事務局職員 事務局長       中野光進 事務局副局長     中西 太 議事調査課長     中村 保 議事調査課副課長   志賀政廣 議事班長       森本剛史 企画員        窪田義孝 事務主査       國定正幹 事務主任       堀川陽平 事務副主任      中村真央 事務副主任      北浦愼也   ---------------          午前10時00分開議 ○議長(井上直樹君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(井上直樹君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   中谷謙二君   中尾友紀君   松井紀博君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(井上直樹君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次質問を許します。 丹羽直子君。--14番。 〔14番丹羽直子君登壇〕(拍手) ◆14番(丹羽直子君) 皆様、おはようございます。自由民主党市議団丹羽直子です。 新型コロナウイルス感染症が全世界で猛威を振るっています。1日当たり4,000人から5,000人が死亡する状況が今も続いています。いつ、どのような形で収束するのか、まだ見通しが立っていない状況の中、経済と感染制御の両立のため、新しい生活様式による社会生活が必要とされています。 一方で、アメリカの医学雑誌「The New England Journal of Medicine」によると、ワクチン開発も進み、今年中にも実用化される可能性があるとのことです。一日も早く安全なワクチンの開発と特効薬が開発されることを切に願います。 また、本日、自民党新総裁に、圧倒的大多数の支持の下、菅義偉氏が第99代総理大臣に就任され、新内閣が発足する予定です。地方行政も十分知り尽くしている方なので、地方との連携強化を期待いたします。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、児童虐待についてお聞きいたします。 昨日の山中議員と重複する点もございますが、子供支援強化として御了承願います。 新型コロナウイルス感染拡大における外出自粛などで、虐待リスクが高まっているとして、厚生労働省が全国に設置している児童相談所で虐待として対応した、本年1月から5月の件数を調査した結果、前年同月合計7万3,439件に対して本年度8万73件と、前年同期比で約9%増加したことが緊急調査で分かりました。 新型コロナウイルス感染拡大で、自宅待機や外出規制などが呼びかけられ、家の中は感染を防ぐことができる安全な場所とされていました。しかし、その家が安全ではない子供たちもいます。家の中で命の危険にさらされている子供たちがどんな思いで助けを待っているかを考えると、胸が痛みます。 4月10日、厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課母子保健課は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を踏まえた支援対象児童等への対応について、1、支援対象児童等の状況の変化の確認、2、児童虐待の通報に係る周知や子育てに関する啓発等、3、児童虐待防止施策DV防止施策との連携強化、4、市町村が実施する子育て支援に関する事業の活用等、5、児童福祉施設等における感染予防対応等、6、保護者新型コロナウイルス感染により入院した場合等の対応、以上の6項目を掲げ、各都道府県指定都市、また、中核市の児童福祉主管部局母子保健主管部局に連絡事項として通達しています。 続いて、4月27日、厚生労働省子ども家庭局長が各都道府県知事指定都市市長児童相談所設置市市長に、子どもの見守り強化アクションプランの実施について、子供を見守る機会が減るとして、虐待防止の取組を強化する通知を発出し、学校や保育所などが週1回、虐待リスクの高い家庭の子供と面会したり、連絡を取ったりして、状況把握するよう要請しています。 このように、短期間の間に厚生労働省都道府県市町村等に支援が必要な子供や家庭に適切な対応や必要な支援に取り組むよう通達するということは、いかに子供たちの命が危険にさらされているかが分かり得ます。 そこで、お聞きします。 コロナ禍で人と人との関わりが困難な状況の今、本市では要支援対象児童保護者には、具体的にどのような支援が行われていますか。 以上で第1問とさせていただきます。(拍手) ○議長(井上直樹君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) おはようございます。14番丹羽議員一般質問にお答えします。 児童虐待について、コロナ禍で人と人との関わりが困難な状況の今、本市では要支援対象児童保護者には、具体的にどのような支援が行われているかとの御質問です。 こども総合支援センターでは、要支援対象児童保護者に対して、児童相談所、保健所、教育委員会、保育所などの多くの部署と緊密に連携し、要支援対象児童ごとに見守り、支援を主に担う機関を決め、要支援対象児童の定期的な状況把握を行い、子供やその家庭のニーズを早期に発見し、要支援児童に関わる問題点や課題を整理し、情報共有や支援策の協議を関連部署と行い、必要な支援につなげています。 本市独自の対策として、こども総合支援センターケースワーカー小中学校を訪問し、また、学校休業下の4月、電話での聞き取り調査を行い、支援が必要な児童の把握に努めました。 さらに、緊急事態宣言下ゴールデンウイーク期間である4月29日から5月6日には、外出自粛が社会的に求められ、家庭生活にも大きな変化がある中、子育ての不安や悩みを受け付ける子育てなんでも電話相談窓口こども総合支援センターに開設し、様々なストレスを抱えている子供やその家庭における不安や子育ての悩み等を解消するための支援に取り組みました。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 14番。 〔14番丹羽直子君登壇〕(拍手) ◆14番(丹羽直子君) 御答弁いただきましたので、第2問をさせていただきます。 本市独自の対策として、ケースワーカー小中学校を訪問したり、電話での聞き取り調査や、ゴールデンウイーク期間中には電話相談窓口を設置されていたとのこと。 こども総合支援センターでは、リスクが高いと考えられる子供やその家族のみを対象とする支援だけでなく、問題が表面化していない子供やその家庭にもリスクやニーズが潜在していると考え、全体を対象とする支援をし、市民に寄り添い型の支援を充実しているといつもお聞きしています。 今回、コロナ禍において子育て事情が大きく変化する中、子育てに手がかかる新生児から小学校低学年の子育てをしている親は、子育てに関する悩みが増え、「子供が感染したらと思うと不安」など、感染リスクや教育の遅れへの不安など、様々なストレスを感じています。 3月下旬に緊急事態宣言が発令された我が家では、発令前に下宿先から早々に帰省していた息子と兄の帰省を大喜びしていた高校生の娘と私で、緊急事態宣言中は家事を連携し、洗濯物を干したり、取り入れたり、片づける。皿洗いも協力し、我が家は子供たちが大きく、様々な手伝いをしてくれたので助かりましたが、子供が小さな家庭は本当に大変だったことでしょう。 今回、コロナ禍のせいで虐待が起きたのではなく、育児放棄身体的虐待という形に変化して表面化してきた事例もあります。 30代女性のケースでは、3人の子供を連れて母子生活支援施設に入所し、その後、生活保護を受給して公営団地で暮らし始める。母子だけでの生活を始めて間もなく育児困難に陥った。 30代女性は子育てを放棄し、夜遊びでほとんど家におらず、小学生の長女が下2人の面倒を見ていた。緊急事態宣言が出された4月、24時間、3人の子供と一緒にいなければならなくなった。丸一日、子供たちが騒いでいる声を聞いてストレスをため込んだ女性は、いら立ちを募らせ、子供たちに手を上げるようになった。 毎日、朝から夜遅くまで子供の泣き声や親のどなり声が響いていれば、団地の住人から、4月後半、児相に通報、虐待が明るみに出ることとなった。 育児放棄という問題を抱えていた家庭の中で、長女が下2人の面倒を見ていたことで、子供たちへの暴力が抑えられていた。しかし、コロナ禍により生活スタイルが崩れたことで、育児放棄身体的虐待という形に表面化した。 この事例は、育児放棄という問題だけではなく、ヤングケアラーという問題も浮き彫りにされています。 ヤングケアラーとは、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って、本来大人が担うような家族の介護や世話をすることで、自らの育ちや教育に影響を及ぼしている18歳未満の子供のことです。 厚生労働省は、平成30年度、子ども・子育て支援推進調査研究で、全国の市町村の要保護児童対策地域協議会において、ヤングケアラーがどのように捉えられているかを把握するとともに、実際に把握されているケアラーの個々のケースを知るため、ヤングケアラーの実態に関するアンケート調査を実施しました。 平成31年3月の統計調査報告では、ヤングケアラーという概念を「認識している」が27.6%、「認識していない」が72.1%、無回答が0.4%でした。 ヤングケアラーという概念を認識している協議会に、ヤングケアラーと思われる子どもの実態把握をしているか聞いたところ、「把握している」が34.2%、「把握していない」が35.0%、「該当する子どもがいない」が30.3%、無回答が0.4%。 ヤングケアラーと思われる子供の実態把握をしていない理由は、複数回答で、「家庭内のことで問題が表に出にくい」が76.8%と最も高く、次いで「要保護児童の家庭がヤングケアラーという問題を認識していない」、「ヤングケアラー本人が問題を認識しておらず周りに相談できない」が56.1%となっています。 ヤングケアラーとして把握している子供の性別は、男性が38.7%、女性が61%となり、中学生が43.2%と最も高く、次いで小学生33.2%、高校生15.6%となっています。 登録の種類については、虐待(ネグレクト)が50.3%、次いで要支援19.8%、虐待(心理)16.4%となっています。 学校生活への影響について、「あまり行けていなく休みがち」が31.2%。 ヤングケアラーの特徴としては、周りが大変さに気づかない、社会経験が少ないため、相談先、相談方法が分からない、支援につながらないなど、本来、適切な養育を受け、健やかな成長と教育の機会を得られなければならない子供たちヤングケアラーとして潜在化しています。 そこで、お聞きします。 ヤングケアラーについて現状認識はされていますか。 ヤングケアラーに対する取組について行っていますか。 また、今回、コロナ禍の状況の中で、こども総合支援センターが独自に取り組んだ支援で、相談内容が一番多い相談は何ですか。 今回の子育てなんでも相談で電話1回だけの相談ではなく、継続的に必要と感じたときの切れ目のない支援はどのようにされていますか。 以上で2問目とさせていただきます。(拍手) ○議長(井上直樹君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) 14番丹羽議員の再質問にお答えします。 児童虐待について4点ございます。 1点目、ヤングケアラーについての現状認識はしているのか、2点目、ヤングケアラーに対する取組は行っているか、3点目、今回のコロナ禍の状況の中で、こども総合支援センターが独自に取り組んだ支援で相談内容が一番多い相談は何か、4点目、子育てなんでも電話相談で電話1回だけの相談ではなく、継続が必要と感じたときの切れ目のない支援はどのようにしているのかとの御質問です。一括してお答えします。 ヤングケアラーについては、本来、大人が行うと想定される家事や家族の世話などを日常的に行っている子供ということで、保護者が子供に対し必要な監護を行っていない状態であると認識しております。 家庭内で行われることで、発見が非常に難しいとされており、学校からの情報を契機とし把握することも多く、教育委員会とのより一層の情報共有が重要と考えています。 ヤングケアラーと思われる児童を把握した場合は、要支援児童の適切な保護や支援を図るための和歌山市要保護児童対策地域協議会において、同協議会の関連機関情報共有実態把握に努め、必要な支援を行っています。 子育てなんでも電話相談窓口での相談内容としては、学校等の休業や外出自粛によって、子供たちの居場所が利用できない中での時間の過ごし方や、いつまでこの状況が続くのかという不安の声が多く聞かれました。不安を抱えながら、今までどおりの生活ができないストレスの中で、保護者や子供も感情的になることが多くなっているとの相談もありました。 電話1回だけの相談ではなく、継続的に必要と感じたときの切れ目のない支援については、子育てなんでも電話相談窓口の中で、家庭状況の把握や支援者の有無、その他必要な情報収集を行い、子供やその家庭の課題や問題を発見するとともに、和歌山市要保護児童対策地域協議会を活用しながら、問題点や課題を整理し、関連部署と連携しながら、継続した切れ目のない支援につなげています。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 14番。 〔14番丹羽直子君登壇〕(拍手) ◆14番(丹羽直子君) 御答弁いただきましたので、第3問をさせていただきます。 人との接触をできるだけ回避し、家庭内で過ごすことが推奨されている新しい生活様式は、私たちの働き方や暮らし方にも大きな変化をもたらしています。特に、家庭への影響はひときわ大きなものです。例えば、虐待やDVが増えたり、学校や病院に行く機会が減り、子供たちのSOSが届きにくくなっています。 子育てなんでも相談窓口相談内容も、不安の声が多く、今までどおりの生活ができないストレスの中で、保護者や子供も感情的になっているとのこと。これから第3波のおそれを指摘されている中、外部との接点がない状態の中で、声を上げられない、誰にも気づいてもらえない虐待を受けている被害者を、また、虐待をしてはいけない、誰か止めて助けてほしいと思っている加害者を、どのように支援していくのかが大きな課題です。 厚生労働省が令和元年7月4日に、各都道府県指定都市、中核市の児童福祉主管部(局)長宛てに、要保護児童対策地域協議会における--以降、「要対協」と略させていただきます--ヤングケアラーへの対応について、要対協に求められる役割について、  ヤングケアラーの概念について、要対協調整機関は、構成機関に対して周知し、実態把握に努めるとともに、要対協に登録されている子どもや、新規に登録を検討する際や、その支援方針を検討する際には、ヤングケアラーではないかという観点から家族の要介護者等の有無やその支援状況、子どもの学校の出欠状況など家族全体の状況を共有してアセスメントすることが重要である。  実態調査によれば、特に子どもは、自分自身がヤングケアラーであると認識していることが少なく、学校からの情報を契機として要対協にケース登録される割合が高いといった結果に留意の上、学校・教育委員会との情報共有に努められたい。  また、支援方針を策定する上で、家族に要介護者等がいる場合には、その介護・世話等の実態を踏まえた上で、養育支援訪問事業による家事援助や介護保険サービス障害福祉サービスなど適切な支援につなげていくよう留意するとともに、高齢者福祉障害者福祉部局などの関係部署との連携を図られたい。 と示しています。 尾花市長は、わかやま子ども学総合研究センターに期待することの中で、  「子育て環境日本一」を掲げる和歌山市の重要施策として、増え続ける児童虐待未然防止早期対応について強化を図り、寄り添い型の支援を充実させ、すべての子供とその家庭及び妊産婦を対象に実情の把握、より専門的な相談対応訪問調査などにより、切れ目のない継続的なソーシャルワークを実践します。また、不登校児童生徒への支援拠点としても取組の幅を広げていきます。  子供に関する諸問題は大変複雑であり、子供を中心に据え、研究、実践、解決していく学問の研究をするわかやま子ども学総合研究センターと「児童虐待ゼロ」「すべての子供の幸福」を目指し子供やその家庭を支援する本市が連携し、和歌山市のすべての子供が明るい未来を期待できるよう、信愛大学の専門教員の皆さんや学生の皆さんと本市が支援技術の研究に取り組み、連携・協力を実施していきます。 とおっしゃっています。 ヤングケアラーに関する論文が、我が国において、2019年3月22日ゼロ件という現状において、今こそヤングケアラーについて、和歌山信愛大学と連携し研究すべき課題ではないでしょうか。 一番論文が多い国は、イギリスの25件、次いでオーストラリア17件、次にアメリカ14件。ヤングケアラー支援の先進国では、学術分野でもヤングケアラーに関する研究がなされています。イギリスオーストラリアでは、既にヤングケアラーが法律に明記されており、市民、政治家、専門家の間でヤングケアラーに関して認識されています。また、公的機関による支援制度が存在し、団体による支援も充実しています。 日本での対応はまだまだ遅れている中、埼玉県では、今年3月27日、埼玉県議会で、通学や仕事をしながら家族を介護するヤングケアラーの支援を含む埼玉県ケアラー支援条例が可決、成立しました。 条例は、ケアラーを社会全体で支える基本理念を明記し、ヤングケアラーには、教育の機会の確保や心身の健やかな成長や発達、自立が図られるよう支援を行う必要性が示され、県内の学校や教育委員会に支援を義務づけ、具体策を盛り込んでいます。自治体が国に先駆けて取り組んでいます。 本市においても、ヤングケアラーたちの早期発見、早期支援継続支援に向けての制度や政策、支援方策を作成すべきであると考えます。ヤングケアラー実態状況を把握し、こども総合支援センターだけでなく、部署間を超えた認識と連携が必要です。 そこで、お聞きします。 ヤングケアラー実態把握について調査してはいかがでしょうか。 以上で第3問とし、質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(井上直樹君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) 14番丹羽議員再々質問にお答えします。 児童虐待について、本市においてもヤングケアラー実態把握について調査してはどうかとの御質問です。 本市においても、ヤングケアラーの実態について把握することは重要であると考えていることから、和歌山市要保護児童対策地域協議会を通じて、教育委員会や関連団体と連携し、他都市で実施しているヤングケアラー実態調査を研究するなどし、実態把握の調査について進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) しばらく休憩します。          午前10時27分休憩   ---------------          午前10時50分再開 ○副議長(奥山昭博君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 井本有一君。--1番。 〔1番井本有一君登壇〕(拍手) ◆1番(井本有一君) 皆さん、おはようございます。日本共産党議員団井本有一です。 本日の一般質問、まず、IR(カジノ)の誘致についてです。 IR(カジノ)は、2016年にカジノ解禁推進法、2018年にカジノ実施法を成立させ、進められてきました。 しかし、カジノはギャンブルであり、これを受け入れられない国民世論も根強くあります。そこに、秋元司元内閣府副大臣らが逮捕されたカジノ汚職事件は、証人買収事件にまで発展し、IR(カジノ)への国民の批判はますます強まっています。 さらに、コロナ感染拡大が世界のカジノ事業に与えた影響は決定的です。カジノは世界各地で閉鎖され、再開後も、これまでのように客をカジノに詰め込む営業はできず、収益がほぼ消失しています。 そんな中、日本へカジノ参入をいち早く表明していた世界最大のカジノ運営企業、ラスベガス・サンズが日本からの撤退を表明しました。財務状況が悪化する中で、サンズですら撤退をせざるを得なくなりました。 今後、コロナ感染が収束したとしても、感染症対策として、密室や密集を避けることがどの分野でも求められていくことと思います。そうなると、来場者数や収益の見通しなども当然変わってくるはずです。 IRとは、カジノで高い収益を上げ、その収益によって、巨大な国際会議場や展示場を運営していくという仕組みですが、そのビジネススタイルがもはや通用しなくなってくるのではないでしょうか。 ところが、和歌山県は本市マリーナシティへの誘致を新型コロナ以前と変わりなく進めており、市としても誘致受入れの姿勢を変えていません。 そこで、質問いたします。 1、IR(カジノ)施設のコロナなど感染症対策はどのように考えていますか。 2、県の基本構想では来場者数や納付金の試算がありましたが、それは今、どうなっていますか。 3、IRでは巨大な国際会議場等の建設が必要となっていますが、道路整備、上下水道などのインフラ整備が必要ではないですか、また、その場合の試算はしていますか。 次に、身体障害者向け市営住宅についてお聞きします。 今回の質問のきっかけは、最近病気で両足が麻痺して動かなくなったAさんから、住宅を紹介してほしいという相談を受けたことです。 Aさんは60代の女性で、障害者の息子さんと同居しております。最近、病気で両足が動かなくなり、歩行が困難になったのですが、外出には電動カート(シニアカー)というものを利用して、何とか買物などをしている状況です。室内でも歩きにくくなり、今、住んでいる借家が使いにくくなった。特にお風呂は、一度土間に降りてから通路の先に狭い風呂があるというような状況で、大変苦労していました。借家を改造するにも大がかりになるし、行きつけの病院に通える範囲で引っ越しをしたいということでした。 ちょうど紀和駅団地の障害者向け市営住宅が入居募集されていたので、応募してもらおうと思い、住宅第1課に問い合わせると、部屋の下見をさせてくれました。私もAさんの下見に同行したのですが、Aさんは浴室を一目見てびっくりして、応募をやめてしまいました。障害者が一目見て、とても入居できないと感じてしまう障害者向け住宅、これは問題なのではないかと思ったのが、今回の質問のきっかけになっています。 皆さんにお配りしている資料の紀和駅団地の写真がその浴室です。私も一目見て、何とも言えない威圧感を感じたのですが、住宅第1課の説明では、基本的に車椅子で生活するように設計されていて、障害の度合いが重度で、入浴も介助者があることを想定しているとのことでした。 そう言われると、私だけの感覚の問題でもあるのかなとの思いもありまして、写真を撮らせてもらい、周りの人にも見てもらいましたところ、かなりの人が使いにくそうと言うし、こんなの絶対無理という感想を述べる人もいます。障害者でない人がそうなのですから、障害者にとっても使いにくいのではないかと思うのです。 実際に住んでいる人にもお話を伺いました。 Bさんは足に障害があり、お母さんと同居です。この方は、車椅子は外出のときにしか使わないので、浴室にははっていって入り、段差を上るときにお母さんに助けてもらっているということでした。浴室とトイレと洗面所が6畳程度の1部屋になっており、冬は寒いのがつらいと言っておられました。 やはり調べてみると、住んだ人でないと気づかない点も出てくるものです。ほかにもこのような要望を持っている人がいるのではないかと思います。 そこで、お聞きします。 1、市営住宅のうち身体障害者向けの住宅は何戸ありますか、そのうち床面から1段上がって浴槽に入る形式の部屋は何戸ですか、また、それらの建設年を教えてください。 2、これらの部屋に入居された方から、浴室やトイレに関する改善要求や意見はありましたか、その中身や件数を教えてください。 3、最近建設された市営住宅での障害者向けの浴室やトイレはどうなっていますか。 以上をお聞きして、第1問とさせていただきます。(拍手)
    ○副議長(奥山昭博君) 犬塚市長公室長。 〔市長公室長犬塚康司君登壇〕 ◎市長公室長(犬塚康司君) 1番井本議員の一般質問にお答えします。 IR(カジノ)の誘致について3点ございます。 まず、1点目、IR施設のコロナなど感染症対策をどう考えているかとの御質問です。 IRは民設民営の施設ですので、新型コロナなどの感染症対策は、IR事業者が実施することとなります。現在、国において、基本方針案に感染症対策を含めた安全の確保についての事項を盛り込むことが予定されており、それが公表されれば、その方針に従い、計画案に盛り込まれていくことになります。 次に、2点目、県の基本構想に基づく来場者数や納付金の試算について、今、どうなっているかとの御質問です。 県の基本構想では、年間の来場者数は約400万人、納付金は約210億円と試算されており、現在も変更はありません。 最後に、3点目、巨大な国際会議場等の建設が必要だが、道路や上下水道のインフラ整備が必要でないか、また、その場合の試算をしているかとの御質問です。 県の募集要項によると、インフラ整備については、新たな施設整備や既存施設の増強が必要な場合は、IR事業者がその内容を示すこととなっています。現在、事業者において整備の必要性を検討されているところですので、現時点では、本市において試算はしておりません。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 西本都市建設局長。 〔都市建設局長西本幸示君登壇〕 ◎都市建設局長西本幸示君) 1番井本議員の一般質問にお答えします。 身体障害者向け市営住宅について3点ございます。 まず、1点目、市営住宅のうち身体障害者向けの住宅は何戸あるのか、そのうち床面から1段上がって浴槽に入る形式は何戸か、それらの建築年は何年かとの御質問でございます。 市営住宅の中で、障害者向け住宅は8団地84戸あります。84戸のうち、視覚障害者向け住宅が20戸、聴覚障害者向け住宅が21戸、浴槽が床面から1段上がった肢体障害者向けの住宅は43戸となっています。これらの建築年は、昭和49年から平成12年となっています。 2点目、これらの部屋に入居された方から、浴室やトイレに関する改善要求や意見はあったか、その主な中身や件数はどうかとの御質問です。 浴室やトイレに関する意見につきましては、令和元年度にトイレ及び風呂場が使いづらい構造及び仕様になっているため、改修してほしいという要望が1件ありました。 3点目です。最近建設された市営住宅での障害者向けの浴室やトイレはどうなっているかとの御質問です。 平成12年に建設されたビューつつじが丘団地の肢体障害者向け住宅の浴室の構造に変更はありませんが、トイレにつきましては、入居者の要望により、バリアフリー便器から洋式便器に変更しています。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 1番。 〔1番井本有一君登壇〕(拍手) ◆1番(井本有一君) それぞれ御答弁いただきましたので、再質問させていただきます。 IR(カジノ)についてです。 IR施設における今後の感染症対策についてお聞きしましたが、いまだに国の基本方針も決まっていないし、IR事業者にお任せということのようです。本当に誘致をしてしまって大丈夫なのでしょうか。また、来場者数の見通しや納付金についても、2月議会のときから変更なしということです。 カジノは、密室空間で時間の経過を感じさせずにお金を賭け続けさせるということでもうけを生み出すシステムです。この点が、コロナ後に大きく変わることが予想されているにもかかわらず、ここも以前と同じ見通しというのは、いかにその中身がいいかげんかということが見えてきたのではないでしょうか。追加のインフラ整備の試算もまだできていないということで、この面で大きな出費が必要となるかもしれません。 このように、感染症対策来場者数の見込み、インフラ整備について、何も見通せるものがなく、今後、大きく変わってくることが予想されているのに、前のめりになって誘致を進めているということに危うさを感じます。 今までも、ギャンブル依存症対策への不安などで、市民の間には、IR(カジノ)誘致反対の声は依然として大きくあります。その上、コロナ対策や巨大なMICE施設運営への出費が不安を大きくしています。 そこで、質問します。 1、MICE施設への誘客について、市はどこまで責任を負うのですか。 2、各地で誘致の見直しや凍結が起こっている中、現時点で、市長はIR誘致についてどのように考えているか、お聞かせください。 次に、障害者向け市営住宅についてです。 床面から1段上がった肢体障害者向けの住宅は43戸で、昭和49年から平成12年の建設というお答えでした。一番古い昭和49年建設といいますと、建設から46年が経過しています。建設当時は最適とされた構造でも、今の視点で見直し、必要な改善を施すべきだと思います。 平成12年に建設されたビューつつじが丘団地の浴室の構造に変化はありませんとのお答えでしたが、これは違うと思います。資料写真の平成6年建設のラブリー松江の写真と比べてみても、1段上がるところがあるかないかといえばあるというだけで、体を洗うスペースは上でも下でも選べるし、湯舟に入るのも直接入ろうと思えば入れます。 そして、写真が出せていないのですが、新しいビューつつじが丘のほうは、この台の部分がさらに片側に寄せられ、湯舟の手前には何もない状態になっています。見た目もすっきりして威圧感はありません。浴室の構造はだんだんと改善されてきていると言えるのではないでしょうか。 最初の相談者のAさんも、紀和駅団地の障害者向け住宅がこの新しい浴室の構造であったら、きっと入居を申込みしていたと思います。現在、有本に住んでいるAさんのなるべく近いところに住みたいという願いは、この構造によってかなえられませんでした。 障害者基本法にはこう書かれています。 第3条に「全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。」とあります。 この点で、障害がない人に比べて選択肢は大変少ないのです。Aさんの件は、市営住宅での構造で、その僅かな選択肢を奪ってしまっているのではないでしょうか。 そして、もう一つお聞きしました。 実際に入居された方からの要望、意見ですが、トイレと風呂が使いづらいので改善をしてほしいという要望が1件あったとのことです。 そこで、質問します。 1、障害者向け住宅のトイレと風呂が使いづらいので改善してほしいという1件の要望に対してどう対処しましたか。 2、障害者基本法にあるように、どこに住むのかの選択の機会を確保すべきですが、市営住宅も障害の度合いに応じて住む場所の選択肢が狭められることのないように改善をするべきではないでしょうか。 以上をお聞きして、再質問とさせていただきます。(拍手) ○副議長(奥山昭博君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 1番井本議員の再質問にお答えします。 各地で誘致見直しや凍結が起こっている中、現時点でIR誘致についてどのように考えているかとの御質問でございます。 IRができることで、国内外から観光やビジネスなどによる来訪者が飛躍的に増加し、大きな経済波及効果や雇用が創出されます。このような大きな可能性を持ったIRは、本市の今後の発展のために必要であり、新型コロナで落ち込んだ経済復興を早める施策の一つにもなると考えています。 現在、県において、国の示す令和3年1月から7月の期間に認可申請できるよう準備を進めており、今後も県と連携を密にしながら取り組んでいきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 犬塚市長公室長。 〔市長公室長犬塚康司君登壇〕 ◎市長公室長(犬塚康司君) 1番井本議員の再質問にお答えします。 IR(カジノ)の誘致について、MICE施設への誘客について、市はどこまで責任を負うのかとの御質問です。 MICE施設は民設民営となっているため、MICE施設の誘客について、本市がその責任を負うことはありません。 MICEに係る本市の取組としては、これらの施設を活用することで、今まで実施できなかった規模の学会や展示会等を誘致することが可能となり、本市にとって大きな経済波及効果等を生み出すため、地元経済団体や県と和歌山IR/MICE推進協議会を設立しており、今後、誘致に向けて積極的に取り組んでいくこととしています。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 西本都市建設局長。 〔都市建設局長西本幸示君登壇〕 ◎都市建設局長西本幸示君) 1番井本議員の再質問にお答えします。 身体障害者向け市営住宅について2点ございます。 まず、障害者向け住宅のトイレと風呂が使いづらいので改善してほしいという1件の要望に対してどう対処したかとの御質問です。 肢体障害者向け住宅のバリアフリー便器が低く使いづらい、風呂が広過ぎて寒いので改修してほしいとの要望がありました。入居者との協議において、洋式便器に改修することや間仕切りの設置の許可はできると回答をしました。 次に、障害者基本法にあるように、どこに住むかの選択の機会を確保すべきであるが、市営住宅も障害の度合いに応じて住む場所の選択肢が狭められることのないように改善をすべきではないかとの御質問です。 市営住宅として個別の入居者に対応した住居の提供や改修はあまりにも多種多様となるため、難しいと考えています。 新たに整備する市営住宅につきましては、今後も和歌山県福祉のまちづくり条例や関係法令に基づき、時代のニーズに合わせて、障害者に配慮した整備を進めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 1番。 〔1番井本有一君登壇〕(拍手) ◆1番(井本有一君) 御答弁いただきましたので、再々質問に入らせていただきます。 市長のIR誘致についての答弁は、観光客の増加と経済波及効果というこれまでの見解と、コロナで低下した経済状態の復興を早める施策ということが加わりました。 しかし、カジノに外国人客を集客して収益を上げるというこれまでの想定は、今は通用しないというのは何度も指摘したとおりです。 そして、そもそもこのもうけは、和歌山市民、県民からギャンブルで巻き上げたお金だということを深く考えるべきです。そういうものを元手に経済が潤うという構造を、果たして、この和歌山市がやすやすと受け入れていいのでしょうか。これまで、和歌山市としてつくってきたイメージが、ギャンブルの町へとがらりと変わってしまうことになるでしょう。 また、出ていくお金に関してほとんど考慮されていませんが、ギャンブル依存症対策をしたとしても陥る人は必ず出てくるでしょう。それは、自己責任だけで終わる問題ではなく、まず医療費、そして生活が破綻し失業者となれば、生活保護も必要となるでしょう。家族がいれば、行政として放っておくわけにはいきません。それへの対策、市役所の窓口もまた大変になります。そういう出費についても当然考慮しなければならないはずです。 それに、何より人の心が壊れる、市民の心がすさんでいくことは、お金でははかれない大きな社会問題ともなっていきます。そういうことを、市長として、いま一度立ち止まって、IR(カジノ)の誘致は見直していただくことを要望いたします。 次に、障害者向け市営住宅についてです。 トイレと風呂についての要望に対して、洋式便器への改修や間仕切りの設置は許可できると答えたとのことですが、これは障害者にとってあまりにも冷たい態度ではないでしょうか。 まず、トイレですが、この方のトイレに設置されていたのは、配付の写真にありますラブリー松江に使われているものと同じで、細長いタイプです。 調べてみますと、TOTO C111という便器です。これが低くて使いづらいという要望だったのですが、高さは床面から34センチです。確かに、一般的な洋式便器や椅子と比べてもかなり低く、この高さの椅子などはなかなかありません。実際に、我々でも34センチの踏み台か何かに一度座ると、立ち上がるのに大変力が要ります。 さらに重要なことは、この方は左足が切断されていたということです。恐らく利用が大変困難な状態だったのではないでしょうか。このような方に洋式便器に自費で換えろと言ったようなものですから、全くその対応に怒りを覚えます。 さらに、言わせてもらえば、このC111という便器には、アタッチメントとして便座の高さを補うクッションのようなものがメーカー純正品として販売されています。ネットで見ますと2万円くらいです。洋式便器への交換が予算的に無理ならば、そういった手段もあったわけです。 もう一言言わせてもらえば、こういう商品が出回っているということは、そもそもこの便器が低過ぎて問題がありということです。これでないと駄目という人が中にはいるかもしれませんが、新しく建設されたビューつつじが丘では、一般的な洋式便器が採用されているとのことで、洋式便器に取り替えて悪いというものでもなかったはずです。障害者向け住宅全般には、このC111を採用している住宅についてよく実情を聞き、改良が必要ならば手だてを打っていただきたいと思います。 もう一問のお答えでも、個別の入居者に適合させた改修は多種多様となるから難しいというお答えでした。 この点でも、難しいで済まされない重大問題があります。 2016年に施行された障害者差別解消法では、「実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。」とされているからです。 「負担が過重でないとき」という一文も入っていますが、個別の要求を聞き入れないというような対応は、今となっては許されないということです。このことを合理的配慮というらしいですが、今までのように一律の対応を改めないといけないということです。 そのためには、個々の入居者の状態や要求を聞くなど丁寧な対応が必要です。要求を聞くという点では、最近建てられた住宅などは改善されてきており、それには住民の要求も取り入れられているということですので、それを新しく建てる住宅にとどめず、古い住宅にも当てはめて、必要なところは改修していただきたいと思います。 以上のことを要望いたしまして、本日の私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(奥山昭博君) しばらく休憩します。          午前11時25分休憩   ---------------          午後1時10分再開 ○副議長(奥山昭博君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 堀良子君。--5番。 〔5番堀 良子君登壇〕(拍手) ◆5番(堀良子君) 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。 世界中を未曽有の事態に陥らせたコロナ禍において、医療現場をはじめ、社会のあらゆる場でお支えくださっている方々が、利他の精神で従事してくださっています。また、本市の職員の皆様も、通常の業務に加え、最前線において市民と直接やり取りし、市民生活の改善に直結する業務を遂行されています。全ての皆様に敬意を表するとともに、心より感謝申し上げます。 さて、人と人とが距離を置かざるを得ない現在の状況の中ではありますが、こんなときだからこそ、誰一人として孤独にさせないことが重要視されています。 ちょうど本市では、昨年から、誰も置き去りにしないことを目的に、地域の困り事を地域住民と支援機関がお互いに協力して、包括的に支援体制を持つ事業として、我が事・丸ごとの地域づくり推進事業を立ち上げています。 昨年7月からは、その事業の一環として福祉総合相談窓口が開設されました。これは8050問題や貧困の連鎖、また、介護と子育てを同時に担うダブルケア、地域の中でのごみ屋敷問題など、複合的で複雑な相談も丸ごと受け止め、包括的に支援する体制を整えるためのものです。 従来、福祉の窓口は、高齢者、障害者、子供といった分野別に分かれていることが多いのですが、ここでは例えば、高齢者の窓口に介護の相談に来た親が息子のひきこもりのことを相談してきたら、そこで「65歳以上の人しか支援できない」と言って断るのではなく、受け止め、必要な支援につないでいきます。どんな相談も断らない、たらい回しにしないというものです。 そして、福祉の分野にとどまらず、住まいや雇用、医療、教育など、他の分野の支援機関とも連携して、家族全体が抱える課題を解決していくものです。 また、ひきこもりが長期化しているなど、具体的な課題がどこにあるのかすぐに見えない場合、早期に支援につなぐことができません。そうした場合も、我が事・丸ごとの地域づくり推進事業では、伴走型で本人と同じ目線に立って、本人に寄り添っていきます。 そうしてつながりを持ち続け、課題を一つ一つ解きほぐし、粘り強く支援につなげていくことを期待できるとして開始されました。 ここで、お尋ねします。 我が事・丸ごとの地域づくり推進事業について、開設後1年を振り返っての成果や課題はどのようなものですか、お示しください。 さて、厚生労働省では、社会福祉法等を改正し、来年度より重層的支援体制整備事業が新たに創設されます。全国の全市町村を対象に手挙げ方式により行うものです。 内容としては、次の3つの支援を一体的に実施するとなっております。その支援の1つ目は包括的な相談支援、2つ目は参加支援、3つ目は地域づくりに向けた支援の体制をつくるということです。 3つの中で、本市のように既に我が事・丸ごと地域づくり推進事業のような相談支援のモデル事業を実施している自治体には、特に新たに追加する2つ目の参加支援、3つ目の地域づくりに向けた支援の実施が求められています。 2つ目の参加支援とは、一人一人を地域につなぎ戻していくための支援です。仕事をしたり、地域活動に参加したり、本人に合った場を探して、そこで役割を見いだせるような支援をします。 例えば、障害手帳を持っていないひきこもりの方が働きたい希望があっても、いきなり一般就労が難しい場合が多々あります。そんなとき、地域の就労支援施設で障害のある方々がされている農作業などを一緒にするといった支援です。すなわち、本人のニーズと地域資源をうまく有効利用して、社会とのつながりを回復することが参加支援です。 3つ目の地域づくりに向けた支援とは、子供食堂や介護予防の運動教室など、住民自らの意思で行う多様な活動や居場所を地域の中に増やすための支援です。 増やすためには、市の関係部局と地域づくりに関心を持つ住民やNPO、さらには農業や観光など福祉以外の分野の方々とも、日常的に顔の見えるネットワークをより広くつくっていくことが必要不可欠と考えます。 この3つの支援を一体的に行う重層的支援体制整備事業を実施することで、制度の縦割りを超えることが想定され、制度に人を合わせるのではなく、困り事を抱えている本人と家族を中心とした支援へと、福祉の大転換を図ることが期待されています。これこそ断らない相談支援であって、誰も置き去りにしない社会を実現する基盤となる事業であります。 特にこのコロナ禍で、まさに本事業は人と人とのつながりを再構築する事業であります。モデル事業を実施している本市に対しても、国からは実施意向の確認等が行われている最中であると思いますが、今から取り組む準備が必要と考えます。 そこで、お尋ねいたします。 来年4月からスタートする重層的支援体制整備事業について、本市としてはどんな課題があると認識していますか、お示しください。 次に、ため池の防災対策について質問させていただきます。 このため池の防災対策については、平成30年12月議会に一般質問させていただいたので、今回はさらに掘り下げて質問させていただきます。 平成30年7月の西日本豪雨において、防災重点ため池ではない小規模なため池が全国で32か所決壊し、多くの死傷者を出すなど甚大な被害が発生しました。 このことを受け、全国で効果的なため池の防災対策の在り方が本格的に検討され始めました。その結果、令和元年に政府はため池管理保全法を制定し、所有者や管理者はその年の年末までに各県のほうに詳細な届出をするよう決めました。 昨年も、伊豆半島に上陸した台風19号とその後の大雨で、全国で127の農業用ため池が損傷し、12か所も決壊しました。幸い死傷者が出ることはありませんでしたが、ため池近くの住宅が浸水被害を受けました。このように、昨今の異常気象と言われる状況においては、ため池の防災対策は急を要するものだと確信するものです。 ため池は7割が江戸時代以前に造られたとされていて、その多くは地元の水利組合や土地改良区、集落、農家などが管理していますが、農家の減少や高齢化から維持管理が非常に厳しくなっています。 私も、ため池周辺の住民の方々から、堤の崩れや排水部の詰まりの可能性があるかもしれない、大雨が降るたびに決壊するのではないかとびくびくしているとの不安の声をよくお聞きします。 本市には現在、ため池が491か所、そのうち重点ため池が290か所あるとされています。この重点ため池とは、決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設等が存在し、人的被害を与えるおそれのあるため池のことです。 私が、平成30年12月議会において、ため池防災支援システムの導入を提案したことが実り、本市においても令和元年より導入されました。このシステムは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が構築しているもので、活用方法は、当時、農林水産省も検討することとなっていました。システム導入後、約1年が経過しています。 そこで、お尋ねします。 ため池防災支援システムの運用における成果をお聞かせください。 以上で第1問を終わります。(拍手) ○副議長(奥山昭博君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) 5番堀議員の一般質問にお答えします。 地域共生社会の実現に向けて2点ございます。 1点目、我が事・丸ごと地域づくり推進事業について、開設後1年を振り返っての成果や課題はどのようなものかとの御質問です。 我が事・丸ごとの地域づくり推進事業は、地域の状況を踏まえた包括的な支援体制を整備するために、創意工夫ある取組を進め、地域共生社会の実現に向けた地域福祉の増進を図ることを目的とした事業で、本市では、令和元年度から和歌山市社会福祉協議会に委託し、事業を開始しております。 複合的な悩みでも円滑に相談できる総合的な相談窓口として、令和元年7月に福祉総合相談窓口を開設し、令和2年3月末までに、電話相談253件、来所での相談38件、合計291件の相談を受けました。 相談内容によっては、相談支援事業所、地域包括支援センター、民生委員・児童委員協議会などの関係機関を交えた個別ケース会議等を開催して、解決を図ってきました。 また、地域住民等が主体的に生活課題を把握し、解決を試みることができる環境の整備に向け、和歌山市社会福祉協議会が実施するふれあいのまちづくり事業を通じて、地域生活課題の早期発見に努めるとともに、地区社会福祉協議会員や自治会員などをメンバーとした協議体での会議を地域ごとに開催し、高齢者が買物難民化している状況などの地域の課題の抽出や課題の解決に向けた話合いを行いました。 1年間の取組により、地域によって取組に差があることが見えてきましたので、今後、活動内容のさらなる周知に努め、地域の実情に応じた支援をしていきたいと考えております。 2点目、来年4月からスタートする重層的支援体制整備事業について、本市としてどんな課題があると認識しているかとの御質問です。 重層的支援体制整備事業は、令和3年度から開始される任意事業で、地域生活課題の解決に資する包括的な支援体制の整備を、自治体が創意工夫をもって円滑に実施できるよう、既存の相談支援などの取組を生かしつつ、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する事業として創設されたものです。 この事業の概要は、令和2年6月に厚生労働省から示され、現在、その内容を研究しているところですが、事業の重要性や意義については認識しています。 本市においては、令和元年度にモデル事業となる我が事・丸ごとの地域づくり推進事業を実施し、多機関の協働による包括的支援体制の構築を図ってきましたが、この事業はさらに複数の事業を一体的に進める必要があります。 現在、各課で行っている属性ごとの支援体制では、地域住民が抱える複合課題やはざまのニーズへの対応が困難であるため、課と課、局と局をまたいで、うまく連携することが重要であり、その体制構築が課題であると考えています。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 細井産業交流局長。 〔産業交流局長細井隆司君登壇〕 ◎産業交流局長(細井隆司君) 5番堀議員の一般質問にお答えします。 ため池の防災対策について、ため池防災支援システムの運用における成果をお聞かせくださいとの御質問です。 本市では、令和元年度よりため池防災支援システムの運用を行っています。このシステムでは、豪雨時に決壊危険度予測の発信を行っており、従来は経験に基づいて調査するため池を選定し確認していましたが、同システムの判定結果により危険が高いと判定されたため池について、現地確認を行うことにより業務の効率化が図られています。 昨年度は、2度の台風時に危険度が高いと判定されたため池があり、現地確認を行いましたが、決壊のおそれがあるような水位上昇は認められませんでした。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 5番。 〔5番堀 良子君登壇〕(拍手) ◆5番(堀良子君) それぞれ御答弁をいただきましたので、再質問に入らせていただきます。 地域共生社会の実現に向けて、第1問では、初めに、この1年の我が事・丸ごと地域づくり推進事業についてお聞きしました。 福祉総合相談窓口では、昨年7月から本年3月までで、電話相談が253件、来所での相談が38件とのことでした。また、その相談内容を基に、必要な場合は、関係機関を交えた個別ケース会議を開催したり、自治会員等との協議体での会議を開催し、地域ごとの話合いを設けているとのことでした。 その中で触れた、社会福祉協議会が実施しているふれあいのまちづくり事業というのは、地域内で行うお茶会サロンや食事会などのことです。その中で、地区社協など様々な場で支援する側となる人たちからの御意見で、地域生活課題の早期発見ができたとのことでした。また、高齢者が買物難民化している状況などの地域の課題が発見できたことも紹介されました。こういった実例は、今後に生かせる貴重な成果であると思います。 さらに、課題として取組には地域によって差があることが見えてきたので、さらなる周知と地域の実情に応じた支援をしていくとのお答えでした。取組についての地域間の差を解消するために地道に努めていくことは、即、地域の中に誰一人排除される人をつくらないという地域づくりにつながると確信します。どうかさらに力を入れて、今後もお願いしたいと思います。 また、2つ目の質問では、国が示している重層的支援体制整備事業について、今後、取り組むならば、本市としての課題をお聞きしました。 御答弁では、この事業はさらに複数の事業を一体的に進める必要があり、現在、各課で行っている属性ごとの支援体制では、地域住民が抱える複合課題やはざまのニーズへの対応が困難であるため、課と課、局と局をまたいで、うまく連携することが重要であり、その体制構築が課題であると示されました。 御答弁のとおり、多くの自治体が同じように抱えている課題、その解決のために創設されたのが本事業です。そして、本市が庁内の体制構築を課題と捉えていること自体が、準備への最初の段階に立っているものと期待いたしております。 ですので、ここで他都市の準備の事例を挙げます。 重層的支援体制整備事業のモデルとなって取り組んでいる都市に、大阪の豊中市があります。豊中市はもともと福祉の関連事業に先進的に取り組んでいる代表的な都市であるとお聞きし、本年1月、私は先輩の西風議員とともに、公明党女性局の一員として豊中市役所を訪ねました。そして、担当課や社会福祉協議会の職員の方から、アウトリーチや伴走型支援などについてお話を聞かせていただきました。 豊中市では、本事業についても、去る8月1日、市長のリーダーシップで介護、障害、生活困窮、子育て支援生活保護、人権、住宅、教育委員会など多機関連携体制を構築するためのプロジェクトチームを立ち上げ、事業の実施に向け準備していくことになったと伺いました。 また、神奈川県座間市では、市役所が中心となってチーム座間を結成し、社会福祉協議会、ハローワークの担当者らが参加し、弁護士も交え、課題の共有や支援の方向性を決めています。本事業を進めていくには、庁内のみならず、庁外との連携体制も極めて重要だからです。市役所を中心に各支援機関、地域住民などを含め、市全体での包括的支援体制整備が必要であります。 そして、その体制整備に当たっては、関係機関等と地道に議論を積み重ね、意識の共有を図り、ワンチームにならなければなりません。こうした取組を本市においても実施していくことが必要と考えます。 ここで、本事業に対する国の財政支援について少し述べさせていただきます。 従来、断らない相談窓口など、属性を超えて包括的な支援体制をつくる場合、各制度ごとの国庫補助金の制度間流用にならないよう、経費案分に係る事務的負担が大きいものでした。 しかし、このたびの新たな事業を実施する市町村に対して、国は、関連事業に係る補助等について一体的な執行を行うことができるよう、交付金を交付するとしています。 市長、この重層的支援体制整備事業は、今までのように実施していく事業に予算がついただけと思っていたら、乗り遅れます。逆に、夢のような話でうちでは無理と思っていると、他の市町村との格差が広がります。それよりも、事業の縦割りの関係を超えて、和歌山市ではどんな細かいいろいろなニーズにも応えます、支え合う仕組みをつくります、チームで取り組み断りませんという方向性を示し、一つ一つ丁寧に実施していったなら、地域住民から評価される日が必ず来ると思います。 今、大都市から地方への移住を考えている人たちが増えている状況下で、よその地と比べて、医療、福祉の実績が多くの人から見られることが想定される中、この事業は、福祉に関連する分野だけではなく、社会全体を巻き込んだ地方創生そのものにつながると考えます。 本市においても、今こそ市役所が先頭に立って、この事業に積極的に取り組み、コロナ禍においても誰一人置き去りにしないという姿勢を示していくべきと考えます。 そこで、市長にお伺いします。 重層的支援体制整備事業について、本市としても積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、どのように取り組むお考えですか、お答えください。 次に、ため池の防災対策について再質問させていただきます。 第1問の御答弁では、ため池防災支援システムの現在の本市での運用状況をお答えいただきました。 それによりますと、豪雨の際、今までなら経験に基づいて調査するため池を選び確認していたものを、ため池防災支援システムの運用を開始してからは、同システムの判定結果により危険度が高いと判定されたため池について、現地確認を行うことで、従来の経験に基づく現地確認よりは、確かにお答えのとおり、業務の効率化が図られていると考えられます。ぜひ継続してこのシステムを使って、ため池防災への注視をお願いしたいと思います。 その上で、さらに考えてみますと、その豪雨のさなか、もしくは豪雨が予想されていて、行動することに危険が伴うタイミングに、現地に行かなければならないというのは、安全面が懸念されるものです。人がわざわざ確認に行かなくても、現代では情報通信技術、すなわちICTを駆使したものが開発されているのではないでしょうか。 7月29日、私ども公明党議員団の代表のメンバーで、和歌山大学の災害科学・レジリエンス共創センターを訪ね、秋山演亮教授による住民設置型簡易水位計について伺ってきました。 秋山教授は、ICTやモノのインターネットであるIoTを使って、簡易的な水位計を開発し、その設置を促しています。 和歌山市内では、西山東地区で実証試験として和田川に架かる4か所の橋に、橋の下の面と水面までの距離を測るセンサーを設置しています。水位が橋までとの距離で100センチ以下になったら、川の氾濫の可能性があると判断し、SNSで通知された住民が避難行動を図れるようになっています。 データを送るには、低消費電力で広域をカバーする無線通信方式「LoRaWAN」と呼ばれるものを利用していて、これにより受信局から数キロメートル離れた地点からも、単三電池2本程度の電力で半年以上、センサー情報を送ることが可能とのことです。公共施設等のインターネット回線を使いますが、通信容量はショートメール程度で、既存の通信回線は圧迫しません。設置費用は、総合計で約60万円から70万円とのことです。 こういった水位計は、県内では御坊市でも活用されているとのことです。 私はこのIoTを活用した水位計をため池防災にも活用できるのではないかと思い、再度、秋山教授に問い合わせて調べたところ、今後、海南市内において、ため池での実証試験を行うとのことでした。この装置を使って、西山東地区の和田川で実施しているような避難行動への誘導に使えれば、豪雨で危険な状況のさなかに現地へ確認に行くなどということは必要なくなり、市としても職員の負担が軽減します。 第1問でも述べたとおり、ため池の管理体制はどこも、農家や水利組合といった人口減少や高齢化による社会の変状に大きな影響を受けているところに委ねられており、大変に厳しい状況に陥っています。そして、そのことで周辺の住民にも不安が募っています。自治会や水利組合が自助、共助の防災対策の目的で、目安としてのデータが安全に手に入れば、周辺住民の安心にもつながると考えます。 当該管理者がそれぞれ管理するため池に自身でつければよいという考え方もあるかもしれませんが、地域住民の生命と財産を守るという観点からして、市から公助の手を差し伸べるべきと考えます。さきにも述べた和歌山大学が開発した水位計のようなICT、IoTを活用すれば、危険な場所に行くこともない上に、地域住民の安心にもつながります。 そこで、お伺いします。 ため池の防災対策の中で、ICT、IoTを大いに活用すべきと考えますが、御見解をお聞かせください。 以上で再質問を終わります。誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手) ○副議長(奥山昭博君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 5番堀議員の再質問にお答えします。 地域共生社会の実現に向けて、重層的支援体制整備事業について、本市としても積極的に取り組んでいく必要があると考えるが、どう取り組む考えかとの御質問でございます。 厚生労働省においては、地域共生社会とは、「制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会」としています。 私は、その実現に向けては、地域住民の複合化、複雑化した市民ニーズに対応する包括的な支援体制を構築する必要があり、様々な支援機関が連携する、円滑なネットワークづくりが重要であると考えております。 議員御指摘の重層的支援体制整備事業は、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援に資する多岐にわたる事業を一体的かつ重層的に行う必要があり、庁内はもとより他の支援機関との連携が重要であることから、今後、関係部局の実務担当者によるワーキンググループを立ち上げ、共通認識を持つとともに、課題対応など協議を行い、本市の実情に合った事業の実施に向けた検討を進めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 細井産業交流局長。 〔産業交流局長細井隆司君登壇〕 ◎産業交流局長(細井隆司君) 5番堀議員の再質問にお答えします。 ため池の防災対策について、ため池の防災対策の中で、ICT、IoTを大いに活用すべきと考えますが、御見解をお聞かせくださいとの御質問です。 和歌山市のため池は山間部に集中しており、受信状況によっては、データ受信の可能な範囲が限られている場合も考えられますが、各実証試験などを参考に、ICT、IoTの活用について今後、検討してまいります。 また、自治会やため池管理者に対して、自助、共助の防災目的に活用できるICT、IoT技術の情報提供を行ってまいります。 以上でございます。 ○副議長(奥山昭博君) 5番。 〔5番堀 良子君登壇〕(拍手) ◆5番(堀良子君) 再質問に対し、それぞれ御答弁いただきました。 地域共生社会の実現に向けて、重層的支援体制整備事業については、市長より、今後、関係部局によるワーキンググループを立ち上げ、共通認識を持つとともに、課題対応など協議を行い、本市の実情に合った事業の実施に向けた検討を進めていきたいと考えているとの御答弁をいただき、前向きな取組を期待するものです。どうかよろしくお願いいたします。 そして、ため池の防災対策については、再質問で、ICT、IoTの活用について、各実証試験を参考にし、自治会やため池管理者に対しては、情報提供を行っていくとのことでした。 今回の質問はため池についてでしたが、どんな防災対策であれ、避難行動については、一人一人の市民がいざというとき、いち早く賢明な行動を起こしてもらえるかどうかが一番の目的であると思います。災害に対しては、予知した情報で実際に避難への行動を起こしてもらうのが、命を守る最大の防御です。その情報を早期に察知できるように、一日も早いICT、IoTの活用を期待して、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔副議長退席、議長着席〕 ○議長(井上直樹君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明9月17日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。          午後1時46分延会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    井上直樹 副議長   奥山昭博 議員    中谷謙二 議員    中尾友紀 議員    松井紀博...